オタク入門3
今回は防弾のラッパー、ユンギさん(SUGA/1993)について。
(かわ、、)
突然だが、防弾は7人のメンバーのうち、3人がラッパーである。
、、多くない??
いや、こんなもんなのか?笑
他のグループに詳しくないのでなんとも言えないが、半数がラッパーというのは多いと思う!(主観)
というのも、もともと防弾少年団の始まりはアイドルグループではなく、ヒップホップグループだったからだ。
ナムさんを始めとして、全国の才能あるラップ少年を集めてデビューさせる予定だったパンシヒョクPDだが、彼の突然の路線変更によりゴリゴリのヒップホップ練習生たちはアイドルとしてデビューすることになってしまったのである。
ミンユンギくんも、界隈では名の知れたラップ少年であり、bighitにはPD志望で入社した。
「踊ったりしないから大丈夫〜」
とパンPDに言われて、そのまま契約したユンギ少年は、なぜかバチボコに踊らされ、アイドルとしてデビューしたのである。(パチパチ)
そう、アイドルとして今の防弾少年団があるのは、パンシヒョクPDの立派な詐欺行為があってこそなのだ!!ありがとう、、!!!😭
↑防弾の父☺️
さて。見て分かる通り、ユンギさんはこの世の大半の女子より色が白く、この世の大半の女子より足が細い。悲しいが、この事実は受け入れなくてはならない。
だが見た目は子猫のようで、超クールキャラ、グループ1男っぽいのが彼の沼だ。ツンデレだし〜。
得意なことは動かないこと。苦手なことは、動くこと。その言葉通り、彼は省エネ界の重鎮である。
everydayお祭り騒ぎの様なメンバーばかりの中、彼はいつも「、、フッあいつら何やってんだよ。」てな冷めたテンションで、じっとしている。
来世は石になりたい、そう語る彼に付いた名は「爺」だ。
そんなユン爺だが、時々テンションがバカ上がってしまうタイミングがあり、あまりにもかわいい。
そして、ユン爺のテンション爆上げの時は、いつもうるさい他のメンバーはそうでもないことが多く、そのズレに気づかないまま1人で盛り上がっているのも愛おしいポイントである。
そんな彼だが、もともとPD志望であったと話した通り、ナムさん同様作詞作曲を多く手がけている。
防弾がとくべつなアイドルなのはなぜか?、韓国語というマイナーな言語であるのに関わらず、世界中で愛されるのはなぜか?
楽曲の面で言えば大きな理由は、
彼らが「弱者の立場を決して忘れない」からではないだろうか?
世界のバンタンになった今では想像もつかないが、事務所の大きさがモノを言う韓国のアイドル業界で、bighitという無名の事務所から出たヒップホップアイドルなど最初は誰も相手にしなかったらしい。彼らもまた、「弱者」であった。
「バックのない中小事務所のアイドルが2番目の名前だった 放送でカットされるなんてのは数え切れないし 誰かの代役が俺たちの夢 ある奴は会社が小さいからまともに売れないだろうって」
「恐ろしかった砂漠は 俺たちの血汗涙で満たした海になった でもこの幸せの隙間にある恐れは何だろう 本来ここは砂漠だということ 俺たちはよく知ってる」
「俺たちはもっと絶望しなくてはならない 全ての試練のために」
これはseaという曲の一部だが、
聴いてるこちらが、アンタら一体今まで何されてきたんや、、と胸が痛くなるような歌詞だ。
2!3!という曲にこんな歌詞がある。
「お前らはアイドルだからきっとヘタクソなんだろうな 」
「お前らの歌詞、気に入らねぇ 見なくても分かる どうせありきたりな歌詞」
「お前らは実力がないから汚いことしてんだろ バレバレだよ」
「お前らのしてること見るに もうそろそろ潰れるだろうな」
「俺らは俺らだけで幸せになるから 大丈夫 ほら、いち、に、さん 数えて忘れよう 悲しい記憶は全部消して 僕の手を取って 笑おうよ」
メンタル弱い時にこの曲を聴くと、ケンチャナ〜のとこで必ず泣いてしまうのだが(よわ)、歌詞にするくらいだから実際に何度もこういう言葉を言われてきたのだろう。
一度でも惨めな、どうしようもなく不甲斐ない思いをした人にとって、彼らのたった一言の「大丈夫」はどんな言葉よりも力を持つ「大丈夫」だ。
ユンギさんのラップパートは、特に過激であることが多い。その中でもthe lastという曲の中にかなり衝撃的な歌詞がある。
うつ病 脅迫障害が時々ぶり返す
対人恐怖症
初めて精神科に行った日
そんな生々しいフレーズが並び、混乱する。
アイドルで、、こんなんありなん?と思ってしまう。
伏せられてはいるが、おそらく自殺未遂の経験があることも歌詞から推測できる。
何に対しても無気力なユンギさんが、唯一変わらず情熱を向けたのは音楽だ。
でも、親はユンギさんが歌手になることに反対であり、書いた歌詞カードをビリビリに破かれたこともあったらしい。
ある公演で、両親の姿を見つけたユンギさんが土下座をしながら泣いていたのを思い出す。
裕福ではない家庭の中で、練習生を続けるために配達のバイトをして、、事故にあって大怪我をしても、デビューできないのが怖くて、ずっと怪我した事を隠してダンスの練習をしていたと、当時を振り返ってユンギさんは話していた。
やっとのことでデビューした後も、苦悩は続く。
音楽が大好きで、才能があって、、そんなラッパーたちを集めたのが防弾少年団の始まりだったと最初に言ったが、ヒップホップを愛する少年たちに「アイドル」というカテゴリーが付くだけで、批判する人たちが少なからずいた。
デビュー当時、ある先輩ラッパーが防弾のラップラインに向かって、
「アイドルにヒップホップできんの?(笑)化粧して女かよ。ヒップホップナメないでくれる?まぁお前らのアルバム聴いたことないけど(笑)」
みたいなことを言って、防弾くんたち何も言えなくなる対談みたいなのがあった。(ほんっとに胸くそ悪くて二度と見たくない動画)
死ぬ気でデビューして、待っていたのは同業者アンチ。期待されないグループ。
音楽への情熱、ラッパーであることは変わりないはずなのに、アイドルラッパーだからと曲すら聞いてもらえない事実。
自分は一体何がしたいのか?
アイドルなのか、それともラッパーなのか。自分でも分からず苦しんでいたユンギさんの歌詞には、やたらと「アイドルラッパー」というフレーズが繰り返される。
だが、曲を聴いていくと、ユンギさんなりの乗り越え方というのが分かるのだ。
「クスリやってるラッパー達 俺がアイドルってことに感謝しろよ」-Agust D
「俺のファン達 堂々と顔を上げてくれ 俺ほどの奴なんていないから」
「お前ら誰の前で苦労したふりしてんだ」-the last
「楽に得たものが1つもないことに いつも感謝だ お前の人生が中途半端な理由に 何で俺が使われる? ずっとそうやって生きてろよ適当に 悪いけど俺はもっと稼ぐつもりだから 見守っててくれよ それじゃどうかお元気で」-cypher3
「今まで無視してくれてありがと お陰でスタジアム ドーム ビルボード 多くのことを得ることができた」-땡
そして断言する。
「俺の居場所はアイドル しっかり俺を見ろ」
何か辛いことがあっても、ユンギさんの言葉はいつも弱い自分を蹴っ飛ばして、こんなのなんてこともないと思わせてくれる。お前ごときが弱音なんか吐くんじゃねぇよ、頑張れよ、と言われてるような感覚になる。
韓国語だとか、アイドルの歌だからなんだとか、そんなのは全然関係無いのだ。
彼が弱い自分を肯定し乗り越えるために作った、彼のための歌。
それは、同じように前へ進もうともがく世界中の弱者に響く。
「抑圧や偏見を止め、自身の音楽を守り抜く」
防弾少年団の名前の由来だが、まさにユンギが防弾らしさの核になっていると思う。自身の音楽を守り抜く彼の姿は本当に格好いい。
ユンギさんは、BTSは口パクだ!!とヘイター達に叩かれた際、音楽番組で『MIC DROP』という歌のラップパートを「あえて歌わない」ことで、口パクじゃない事を証明した事がある。もともとこの歌が、アンチは黙っとけ的な歌であることも相まって、歌わずニヤッと笑うユンギさんにめちゃくちゃ痺れる。こんな最高におしゃれな方法でアンチを秒殺するのが彼だ。
(Twitterで ユンギ 口パク micdrop で検索したらいっぱい出てくる)
あと、ユンギさんは恋愛の曲を書くのも超上手い。
(突然の話題変更)
アイドルだから恋愛とは無縁なはず(多分)なのに、曲を聴くとユンギさんの恋愛観びっしびしに分かってしまう。
seesawとか、、男女をシーソーゲームに例えているのだけど、基本的にユンギさんの恋愛ソングは、俺が悪かったよ。だからもうやめにしよう、的な感じが多くて、。なんかちょっと、、、😌😌
すみません。
まぁもうお分かりの通り、ユンギさんは正真正銘の天才だ。
ゆんちゃん、自分でも言っているので間違いない。
でも、正しくは「努力する天才」だ。
凡人は努力しなきゃな。
そう言って死ぬほど努力して、ステージで輝く天才。
防弾のSUGAではなく、プロデューサーSUGAとして他のアーティストに曲を提供しているのもめちゃくちゃかっこいい。これがうちのゆんちゃんやで〜!!すごいやろ!!(どや!!)と謎に鼻が高くなり、音楽業界にマウントを取ってしまう。
ツンデレだし、あんまり動かないけど、意外とバラエティーでは張り切っちゃうのもかわいい。
そして何より、客観的に考えて、アイドルなんて絶対やらなそうなユンギさんが、ゴリゴリにアイドルしてるというその事実だけで、ご飯100杯モノだ。(彼の作った音楽、踊り、歌、そしてアイドルスマイルまで拝めるなんて夢か?)
騙されてアイドルになってくれてありがとう。
アイドルになって、その上で、アイドルとかいうカテゴリーに関係ない1人の人間として音楽を届けてくれてありがとう。
そして最後に、、、爺なんて言ってほんとにごめんなさい👴🏻